シェブロンの歴史と名前の由来
1500-1600年代、ヴェネチア製。スペインの中南米トレードによってペルーに渡った7層シェブロン。
古都クスコで見つかりました。 |
中国でシェブロンが作られ始めたのは2004年頃からといわれています。
当初は小型のものがほとんどだったようですが、2006年頃から大型や巨大なサイズのシェブロンが市場に出回るように なりました。 中国製シェブロンに関しては、別ページで詳しく解説していますので、下記をクリックしてご覧下さい。 中国製のシェブロンビーズについて |
通称: シェブロン-Chevron- 年代: 1400年代末期~ 原産: ヴェネチア(一部オランダ)、コピー品はインド・中国・インドネシア等にあり。 |
世界中のとんぼ玉コレクターの垂涎の的であるシェブロンはイタリア語で「ロゼッタ」と呼ばれます。
シェブロンchevronは英語で「山形」の意味で、断面の文様そのままを通称としたものです。
ロゼッタという名前の由来は、「古代文様ロゼッタの花に由来するという」という説もありますが、確かなことは分かっていません。
ヴェネツィアンビーズの技法は、古代より伝えられた様々な技法を応用し発展させたものがほとんどですが、このシェブロンに限っては唯一ヴェネチアで、1490年頃、ムラーノ島の名工”アンジェロ・バロヴィエール”の娘”マリア・バロヴィエール”によって発明された技法により作られたものです。
特に西アフリカ交易用のシェブロンは、「ビーズの貴族」と呼ばれ、族長たちの間でのみ取引され「富と権力の象徴」として重んじられていました。
北アメリカでは、「その昔、オランダ人が、ネイティブアメリカンからシェブロンとの交換で『マンハッタン』を手に入れた」という伝説が残されています。
また、今日においても、モーリタニアでは、お嫁入りの持参金にシェブロンが使われており、
西サハラにおいては、シェブロンは魔力と強大なパワーを持っていると信じられています。
このような話から、シェブロンがいかに重要な意味を持っていたのかを知ることができますね。
17世紀から18世紀にかけて、オランダはビーズ産業に熱心に取り組み、ヴェネツィアから何人かのビーズ職人を招いてシェブロンを作らせました。ですから、シェブロンに関しては、ヴェネツィアのみの特産でなくオランダにおいても作られたというわけなのです。
アフリカ交易用のシェブロンはこれまで1層から10層までのものが確認されていますが、4層から6層の物が主といえます。色はブルーのものがもっともポピュラーで、レッド・グリーン・ブラックと希少性を増していきます。
もっとも初期に作られたシェブロンは7層シェブロンで、
7層シェブロンは、はやい時期、1400年代の終わりから1600年代まで作られたものだと考えてられています。
7層シェブロンは比較的大型で、現存する7層シェブロンで最大のものはNYのコーニング美術館の88mm×50mm、メトロポリタン美術館の80mm×58mmの2つです。
4層から6層シェブロンが主流となるのは、1800年代初頭から後のことです。【雅】
シェブロンchevronは英語で「山形」の意味で、断面の文様そのままを通称としたものです。
ロゼッタという名前の由来は、「古代文様ロゼッタの花に由来するという」という説もありますが、確かなことは分かっていません。
ヴェネツィアンビーズの技法は、古代より伝えられた様々な技法を応用し発展させたものがほとんどですが、このシェブロンに限っては唯一ヴェネチアで、1490年頃、ムラーノ島の名工”アンジェロ・バロヴィエール”の娘”マリア・バロヴィエール”によって発明された技法により作られたものです。
特に西アフリカ交易用のシェブロンは、「ビーズの貴族」と呼ばれ、族長たちの間でのみ取引され「富と権力の象徴」として重んじられていました。
北アメリカでは、「その昔、オランダ人が、ネイティブアメリカンからシェブロンとの交換で『マンハッタン』を手に入れた」という伝説が残されています。
また、今日においても、モーリタニアでは、お嫁入りの持参金にシェブロンが使われており、
西サハラにおいては、シェブロンは魔力と強大なパワーを持っていると信じられています。
このような話から、シェブロンがいかに重要な意味を持っていたのかを知ることができますね。
17世紀から18世紀にかけて、オランダはビーズ産業に熱心に取り組み、ヴェネツィアから何人かのビーズ職人を招いてシェブロンを作らせました。ですから、シェブロンに関しては、ヴェネツィアのみの特産でなくオランダにおいても作られたというわけなのです。
アフリカ交易用のシェブロンはこれまで1層から10層までのものが確認されていますが、4層から6層の物が主といえます。色はブルーのものがもっともポピュラーで、レッド・グリーン・ブラックと希少性を増していきます。
もっとも初期に作られたシェブロンは7層シェブロンで、
7層シェブロンは、はやい時期、1400年代の終わりから1600年代まで作られたものだと考えてられています。
7層シェブロンは比較的大型で、現存する7層シェブロンで最大のものはNYのコーニング美術館の88mm×50mm、メトロポリタン美術館の80mm×58mmの2つです。
4層から6層シェブロンが主流となるのは、1800年代初頭から後のことです。【雅】
時代別に見るアンティークシェブロン
1500-1600年代 7層シェブロン |
1500-1600年代 7層グリーンシェブロン |
1700-1800年代 ヒートラウンドシェブロン |
1700-1800年代 ヒートラウンドシェブロン |
1800年代中期 5層ブラックシェブロン |
1800年代中期 イエロージャケット |
1800年代-1900年代初期 緑装飾4層シェブロン |
1800年代-1900年代初期 6層シェブロン |
1800年代-1900年代初期 4層グリ-ンシェブロン |
1900年代初期 希少色6層シェブロン |
1900年代初期 希少色6層シェブロン |
1900年代初期 5層赤シェブロン |
形状別に見るアンティークシェブロン
ツイスト7層シェブロン | フラット4層シェブロン | ヒートラウンドシェブロン | 3角柱シェブロン |
フラットシェブロン | ユニークな研磨 | ブツ切タイプ | ブツ切タイプ |
面取り(ハンドカット) | ユニーク研磨 | 1920'sモレッティー | 1920年代のカンナ 研磨は現代 |
南米ペルーで発見された7層シェブロン
南米ペルーでは、1500-1600年代にスペイン人によってもたらされた7層シェブロンが見つかります。
アフリカ交易用の7層シェブロンと比較すると圧倒的に小さなものが多く、中には米粒サイズのものも存在します。
ロザリオなどの繋ぎに使用されていたようです。写真は拡大してあります。
最後の写真の星型の7層シェブロンは世界的にも極めてレアなものです。
アフリカ交易用の7層シェブロンと比較すると圧倒的に小さなものが多く、中には米粒サイズのものも存在します。
ロザリオなどの繋ぎに使用されていたようです。写真は拡大してあります。
最後の写真の星型の7層シェブロンは世界的にも極めてレアなものです。
ブラック7層シェブロン | ターコイズ7層シェブロン | ターコイズ+赤白7層 | ストライプ7層シェブロン |
ダークターコイズ7層 | ブルー+白7層シェブロン | 18ポイント7層シェブロン | スター型7層シェブロン |
戦後に作られた作家ものシェブロン
1894年に17のビーズ工房が合併してヴェネツィア・コンテリエ産業会社が設立されました。
ここで作られたシェブロンはそれまでになかった色彩、デザインを展開しヨーロッパで高い評価を得ました。
下の写真は、1970年ヴェネツィア・コンテリエ産業会社のマエストロ(職人)ダリオ・コスタティーニ作。
ここで作られたシェブロンはそれまでになかった色彩、デザインを展開しヨーロッパで高い評価を得ました。
下の写真は、1970年ヴェネツィア・コンテリエ産業会社のマエストロ(職人)ダリオ・コスタティーニ作。
その後、シェブロンマスターとして世界に名を馳せたのは、イタリアのルイジ・カッテランとアメリカのアート・シモール氏の二人。
2016年現在、二人とも未だ現役として活躍中です。
2016年現在、二人とも未だ現役として活躍中です。
ルイジ・カッテランのエルボー型シェブロン | ルイジ・カッテランの7層シェブロン | アート・シモールのシェブロン |
その他、現代のシェブロン
2000年代に入ってからヴェネチアで作られたシェブロン4点、すべて18ポイントです。
インドでは1980年代に入ってからシェブロンをつくりはじめます。
ただしインド製のシェブロンはヴェネチア製や中国製のシェブロンとは全く異なる製造工程をへて 作られます。
ヴェネチアや中国では星型の層を形成するために「鋳型」を用いますが、インドでは「鋳型」を使用せず 「hot-strip method」と呼ばれる手法でシェブロンを作り上げます。
これは製造に要する工数を削減するためと考えられ、出来上がったシェブロンの断面には「鋳型」を用いたシェブロンとは 異なる独特のギザギザ文様が現れます。
インド製のシェブロンが一見して、インド製と判別しやすいのは製造工程が異なるからなのです。
インド製シェブロンは様々な色やパターンが存在し、見ていて楽しいビーズです。ただ、大量生産品ですので 量り売りされるくらい安価なビーズでもあります。
ただしインド製のシェブロンはヴェネチア製や中国製のシェブロンとは全く異なる製造工程をへて 作られます。
ヴェネチアや中国では星型の層を形成するために「鋳型」を用いますが、インドでは「鋳型」を使用せず 「hot-strip method」と呼ばれる手法でシェブロンを作り上げます。
これは製造に要する工数を削減するためと考えられ、出来上がったシェブロンの断面には「鋳型」を用いたシェブロンとは 異なる独特のギザギザ文様が現れます。
インド製のシェブロンが一見して、インド製と判別しやすいのは製造工程が異なるからなのです。
インド製シェブロンは様々な色やパターンが存在し、見ていて楽しいビーズです。ただ、大量生産品ですので 量り売りされるくらい安価なビーズでもあります。